琉球弧の自然と文化
沖縄こどもの国では、私たちがくらす身近な場所である琉球弧の自然や文化について、たくさんの方に知ってもらいたいと考えています。
琉球弧の自然
琉球弧は、九州の南端から台湾に至るまでの約1200kmの距離を連なる100以上の弧状列島のことであり、亜熱帯海洋性気候に属し、一年を通して温暖で湿潤な気候です。古い時代に海峡になったトカラ海峡とケラマ海裂で生物相が大きく異なり、北琉球・中琉球・南琉球と分けられ、それぞれの独自の生態系を築いています。
琉球弧の成り立ち
現在の琉球弧は、かつて、中国大陸から九州の一部にかけて陸続きでした。長い歴史の中で何度か琉球列島の陸地は大陸とつながったり、海に沈んで島になったりをくりかえし、現在の島々にわかれてきました。
ヤンバルクイナ
琉球弧の野生動物
琉球弧の島々に取り残された生き物たちは、それぞれの島の自然環境に合わせて独自の進化をとげてきました。そして、この地域にしかいない独特な生態系を形成したと考えられています。例えば、世界中で沖縄島北部(やんばる)にしか生息していないヤンバルクイナという有名な鳥がいることをご存じの方も多いでしょう。そのように、ヤンバルクイナをはじめ、たくさんの固有の生き物が、琉球列島のそれぞれの島にくらしています。
琉球弧の文化
琉球弧にかつて存在した琉球王国では、最盛期には、奄美諸島・沖縄諸島・先島諸島までを統治していました。そして、琉球王国では中国大陸、日本の文化の影響を受けつつ、交易で流入する東南アジアなどの南方文化の影響も受けた独自の文化を築き上げ、今に至ります。
琉球王国の交易
沖縄島を中心として、半径2000km以内に東京・ソウル・北京・上海・香港・マニラというアジアの主要都市は全てはいります。琉球王国時代の交易圏は、それより広い半径4000kmといわれています。その時代の主な輸入品は、半径4000km圏内の地域からもたらされたもので構成されています。これらの交易範囲から、琉球弧在来の家畜はもたらされたと考えられています。
在来家畜とは
在来家畜とは、原種である野生動物から近代品種をつなぐ途上過程の動物であり、その地域の環境や人々のくらしに合わせて、改良されてきました。かつて、農作業など日々のくらしの中で役立ってくれていましたが、現在は、機械化や効率化が優先され、在来家畜たちは活躍の場を失いつつあり、絶滅した在来家畜も少なくありません。しかし、琉球弧では、まだまだ、たくさんの在来家畜たちが暮らしています。
沖縄こどもの国では、私たちが暮らす身近な場所である琉球弧の自然や文化について、たくさんの方に知ってもらいたいと考えています。
琉球競馬ンマハラシー
琉球王国では、競馬は約300年以上前からおこなわれており、美を競う競馬も約150年にわたり地域で開催され続けてきました。
現代の競馬のような馬の速さや強さを競うだけではなく、走りの美しさや人馬の衣装を含めた優雅さを競うという面で世界に類を見ない、大変貴重な伝統文化です。