こどもの国日誌

2021/8/19
ワンダーミュージアム

第18話:おばけナイトミュージアム④おばけナイトセレモニーについて[ワンダーミュージアムを伝えるためのコラム]

こんにちは。沖縄こどもの国でワンダーミュージアムを担当している鈴木です。現在ワンダーミュージアムではリニューアルに向けた計画づくりが進められています。これまでの17年間の積み重ねと未来可能性を混ぜ合わせてパワーアップしていくことを目指すリニューアル。そのためには何が大事で何が必要なのかを議論し検討しています。実はその中でご指摘いただくのが「良いことをやっているかもしれないけど伝わってない」ということ。暗黙知のままではいけない。言語化していかないと伝わらない。17年間走り続けてきたなかでワンダーミュージアムが大事にしてきたこと、これからも大事にしていきたいことなどを連載でお伝えしています。



第18話:おばけナイトミュージアム④おばけナイトセレモニーについて

いつのまにかワンダーミュージアムの夏の風物詩といわれるまでになった「おばけナイトミュージアム」。2011年にスタートしたので今年でなんと10年目。本来であれば夏休みのはじまる7月後半からスタートするはずでしたがそれもかなわず。コロナ渦で様々な制限の中で試行錯誤を続けていますが、改めておばけナイトミュージアムはこれからどうしていくべきなのかということを考えています。

私たちが大切にしているおばけナイトミュージアムは人手と手間と時間がかかります。でもそれ以上に大切なこともたくさん詰まっています。ただのお化け屋敷とはちがうからこその苦労と魅力。リニューアルをきっかけに様々な事業のスクラップアンドビルドが検討されているなかでおばけナイトミュージアムが今後どうなっていくのかまだわかりませんが、どちらにせよこれまでやってきたことや大事にしてきたことをちゃんと言葉にして残しておくことは大切なことだと思ってます。ということでおばけナイトミュージアムのお話も一話には収まりそうにないので、ちょっと気合を入れて5回にわけてお話しをさせていただきます。①おばけナイトミュージアムのはじまりについて。②おばけせいさくじょについて。③おばけせいさくについて。④おばけナイトセレモニーについて。⑤おばけナイトミュージアムについて。

ここで大人の皆さんにお願いがあります。この企画はこどもたちの想像から広がる世界観を大切にしたいので、ここで書かれたことは大人の皆さんの胸のうちに留めていただきたいのです。何卒よろしくお願いいたします。

さて今回は、④おばけナイトセレモニーについて

こどもの想像力×大人の創造力を積み重ねて完成したおばけナイトミュージアム。その幕開けに行うオープニングセレモニーでは一般的なテープカットではなくこの世とあの世の境界線(結界)を開くための特別な儀式を行います。

沖縄には集落に悪しきものがやってこないよう魔除けとして左縄(ヒジャイナー)を入り口に張るという風習があります。最近はその風習が残る集落もだいぶ少なくなりましたが、セレモニーの儀式はそんな沖縄の風習を取り入れています。オープニングセレモニーで使われるこの世とあの世の境界線としての縄、魔除けとしての左縄(ヒジャイナー)は実は園内で採れる在来米の藁でスタッフがせっせと編んだもの。その縄を切って結界を開くことでおばけたちがようやくおばけナイトミュージアムに遊びに来ることができるようになる、というシナリオです。


オープニングセレモニーにはおばけを描いてくれたこどもたちを招待します。このときに来てもらうのはリアルに会える姿になったおばけを描いてくれたこどもたち。この世とあの世の境界線(結界)を開く儀式に参加してもらったあと、自分の思い描いたおばけと誰よりも早く対面をしていただく機会を設けています。こどもたちはおばけの生みの親。薄暗い場所で行うこのご対面はこどもたちもドキドキですが準備に関わってきた私たちもとてもドキドキする場面です。こどもたちが想像したおばけにちゃんと近づけただろうか。そんなふうに想像と現実の世界、この世とあの世の世界をつなぎ合わせる儀式を行うのがオープニングセレモニーです。


セレモニーの最後に沖縄こどもの国の園長から感謝状を贈呈します。感謝状にはおばけを想像して生みだしてくれたことに対する感謝のことばが書かれています。そのたびに会場からは温かな拍手。こどもたちへの感謝と敬意を込めて行うセレモニーの会場には赤いカーペットを敷くなどして表彰の場としての雰囲気を大切にしています。そしてその様子の取材するためにテレビや新聞社の方々がかけつけてくれます。参加するこどもたちは緊張しつつも誇らしげ。そしてその隣に座る保護者はにこにこ嬉しそう。セレモニーに参加していた保護者の方の言葉がすごくうれしかったので以下共有させてください。

おばけを描いて表彰をしてもらえるなんてびっくりです。実はうちの子にとってはじめての賞状。いつも変な絵ばかり描いているなーと思っていたんです。でも変な絵だと思っていたものがこんなふうにほめてもらえるなんて。嬉しいです、ありがとうございます。

褒められるって嬉しい。認められることで自信になる。セレモニーでの表彰を通してこの子の想像力や描く絵に光を当てたことにより身近な保護者が我が子のもつ力に気付く。そうすることできっとこの子の想像力・創造力はもっともっと伸びて広がっていく。こどもたちの可能性って無限大。そしてその可能性は多様。そんな多様な可能性をワンダーミュージアムとしてできる様々な方向から引き出すことができるといいなと思っています。

とはいえ今年はコロナ渦による様々な制限の中でこれまでのようなおばけナイトミュージアムだけでなくオープニングセレモニーを行うことも難しい状況となりました。今年できなくても今後継続していけるようであればセレモニーに込められた意味と意義を忘れないでいてほしい。そんな思いも込めて今回もコラムを書かせていただきました。いよいよ次回はシリーズラストの⑤おばけナイトミュージアムについて。


過去のコラムは以下でご覧いただけます。
https://www.okzm.jp/diary/wonder/