こどもの国日誌

2021/6/26
ワンダーミュージアム

慰霊の日プログラム④笑顔のたね[ワンダーミュージアムをつたえるためのコラム⑭]

こんにちは。沖縄こどもの国でワンダーミュージアムを担当している鈴木です。現在ワンダーミュージアムではリニューアルに向けた計画づくりが進められています。これまでの17年間の積み重ねと未来可能性を混ぜ合わせてパワーアップしていくことを目指すリニューアル。そのためには何が大事で何が必要なのかを議論し検討しています。実はその中でご指摘いただくのが「良いことをやっているかもしれないけど伝わってない」ということ。暗黙知のままではいけない。言語化していかないと伝わらない。17年間走り続けてきたなかでワンダーミュージアムが大事にしてきたこと、これからも大事にしていきたいことなどを連載でお伝えしています。



6月23日は慰霊の日。コロナ渦で去年も今年も思うように実施できていませんがワンダーミュージアムでは毎年6月「慰霊の日プログラム」を行っています。沖縄戦から今年で76年。人々の記憶と関心が薄れつつある今、平和について感じたり考えたりする機会をつくらないといけない、沖縄にあるミュージアムとして使命感にも似たような気持ちで毎年プログラムを実施しています。さまざまな試行錯誤を重ねつついま開催していることは大きくわけて4つ。①平和のメッセージ(イベント)②未来を考える絵本たち(絵本展)③大型紅型/生命(いきる)展(特別展)④笑顔のたね(ワークショップ)。たくさんの人がどっと押し寄せるようなプログラムではありませんがそのひとつひとつが意味をもち大切に育んできたプログラムです。残していくためにも大切に丁寧に説明をしていきたいので今回は4回に分けて書いていきたいと思います。

第14話:慰霊の日プログラム④笑顔のたね(ワークショップ)

慰霊の日プログラムに関するコラムの最後は④笑顔のたね(ワークショップ)について。

Peace begins with a smile 平和は微笑みから始まります(マザー・テレサ)

この言葉は慰霊の日に開催するイベント(平和のメッセージ)で届けているメッセージのひとつで、笑顔のたね(ワークショップ)でもすごく大切にしています。ワークショップでは大切な人を笑顔にするためのアイテムとして小さな丸シールにニコニコ顔を書いてもらい、そのシールを笑顔になってほしい人にそれぞれプレゼントします。小さなシールが笑顔のたねになる。そんな素敵なワークショップです。大切な人が笑顔になるってすごく嬉しいこと。お母さんにあげたい!お父さんにあげる!先生にあげようかなー!大切な人を思い浮かべながら笑顔のたねをつくるこどもたちもすごく素敵な笑顔を見せてくれます。そしてそんな笑顔のたねをプレゼントしてもらった側もきっとすごく嬉しい。小さなシールが笑顔のたね、平和の種にかわっていく。こどもたちは平和をつくるすごい力を持っている、ワークショップに立ち会うたびにそんなことを感じています。


平和について命について、重いテーマだとしてもこどもたちが受け取るだけになってしまうのはもったいないよね、こどもたちと一緒にどんなふうに考えていこうか、と考え抜いたなかで生まれたのがこの笑顔のたね(ワークショップ)です。こどもたち発信の「平和」や「存在のかけがえのなさ」みたいなことをカタチにしたい。教え与えられる存在ではなくて響き合う存在なんだということに光をあてていきたい。そんなふうにワンダーミュージアムで行うワークショップは常に誰のための何のためのプログラムなのかということを一生懸命に考えアイデアを絞り出して企画をしています。そして試行錯誤を重ねながらこどもたちに喜んで参加してもらえるよう改良を重ねています。とはいえ経済性や効率性にそぐわないといわれることもあり、ワンダーミュージアムがやっていることはこだわりすぎるというご指摘をいただくこともあります。もちろん改善すべき点は改善しつつ、今ここにあるちいさな灯のような平和の種をこれからもこどもたちと共につくっていけたらと思っています。

これまでご紹介してきた慰霊の日の4つのプログラムはそれぞれがつながり合い支え合っています。そのなかでワークショップが担っているのはアウトプットなのかなと。こどもたちと響きあうことを大切に、これからもリニューアル後も引き続き慰霊の日プログラムを実施していきたいなと思っています。慰霊の日プログラム。それは沖縄にあるチルドレンズミュージアムとしての使命でもあり、命をつないでもらった今を生きるウチナーンチュとしての思いでもあります。

本当の平和ってなんですか?その小さな種は大きな平和の木になる。私たちの未来は誰のものでもない、私たちの思いや考えで創られるものです。

過去のコラムは以下でご覧いただけます。
https://www.okzm.jp/diary/wonder/