こどもの国日誌

2021/6/19
ワンダーミュージアム

第13話:慰霊の日プログラム③大型紅型/生命(いきる)展[ワンダーミュージアムをつたえるためのコラム]

こんにちは。沖縄こどもの国でワンダーミュージアムを担当している鈴木です。現在ワンダーミュージアムではリニューアルに向けた計画づくりが進められています。これまでの17年間の積み重ねと未来可能性を混ぜ合わせてパワーアップしていくことを目指すリニューアル。そのためには何が大事で何が必要なのかを議論し検討しています。実はその中でご指摘いただくのが「良いことをやっているかもしれないけど伝わってない」ということ。暗黙知のままではいけない。言語化していかないと伝わらない。17年間走り続けてきたなかでワンダーミュージアムが大事にしてきたこと、これからも大事にしていきたいことなどを連載でお伝えしています。



6月23日は慰霊の日。コロナ渦で去年も今年も思うように実施できていませんがワンダーミュージアムでは毎年慰霊の日のある6月に慰霊の日プログラムを行っています。沖縄戦から今年で76年。人々の記憶と関心が薄れつつある今、平和について感じたり考えたりする機会をつくらないといけない、沖縄にあるミュージアムとして使命感にも似たような気持ちでプログラムを実施しています。さまざまな試行錯誤を重ねつついま開催していることは大きくわけて4つ。①平和のメッセージ(イベント)②未来を考える絵本たち(絵本展)③大型紅型/生命(いきる)展(特別展)④笑顔のたね(ワークショップ)。たくさんの人がどっと押し寄せるようなプログラムではありませんがそのひとつひとつが意味をもち大切に育んできたプログラムです。残していくためにも大切に丁寧に説明をしていきたいので今回は4回に分けて書いていきたいと思います。

第13話:慰霊の日プログラム③大型紅型/生命(いきる)展(特別展)

ということで今回は③大型紅型/生命(いきる)展(特別展)について。毎年6月にワンダーミュージアムの光のアトリエで開催している企画展です。展示しているのは「生命(いきる)」のタイトルがついた特大サイズの紅型作品。どのくらい特大かというと縦2.4m×横11.8mととてつもなく大きな作品です。この作品は県立首里高校(染織デザイン科67期生)の生徒の皆さんが2011年東日本大震災のあった時に制作したもので、ゾウやキリンをはじめとしたたくさんの動物が描かれ希望を持って明るい未来を切り開けるようにという祈りと願いが込められています。動物をあしらった作品なのでぜひ沖縄こどもの国で多くのこどもたちに見てもらいたい、作品を通して命の尊さを感じてもらいたい、そして紅型の良さを知ってもらいたい、そんな想いとともに2015年戦後70年の節目の年に寄贈いただきました。それならば慰霊の日企画がいいのではないかということになりワンダーミュージアムでの展示会開催につながりました。


そんなたくさんの想いとともに託された作品。この作品を活かすには、作品の持つメッセージをたくさんの人に感じてもらうにはどう展示をしたらいいのだろう。インハウス工房を中心に試行錯誤を重ねた結果、作品の後ろから光をあてるという展示方法がうまれました。その効果により暖かな光が紅型作品のもつメッセージをさらに際立たせることができたと感じています。なによりご寄贈いただいた首里高校の方々に大変喜んで頂きほっとした気持ちで嬉しく感じたことを今でも覚えています。ぜひ多くの方に作品を感じて頂きたい。その後もさまざまな試行錯誤を重ねています。BGMを加えたり会場で絵本の読み聞かせやミニライブを開催したりしながら多くの方々に見ていただける場を作り続けています。


沖縄の伝統文化である紅型の作品を通して平和について未来について考える場をこれまでとは違った形で提供しようという試みから生まれた特別展。県内の高校との連携という意味においてもワンダーミュージアムの役割や意義を広げるきっかけになったように感じています。すべての人々が希望を胸に生きていけるようにとの祈りと願い。真っ暗な会場に映える作品の世界観を是非感じていただきたい。2020年~2021年はコロナ渦により開催することができませんでしたが来年こそ開催できますように。そしてリニューアル後も引き続きこの作品をワンダーミュージアムで展示していくことができますように。


過去のコラムは以下でご覧いただけます。
https://www.okzm.jp/diary/wonder/