こどもの国日誌

2021/5/28
ワンダーミュージアム

第10話:わじゃぶくろとSDGs[ワンダーミュージアムをつたえるためのコラム]

こんにちは。沖縄こどもの国でワンダーミュージアムを担当している鈴木です。現在ワンダーミュージアムではリニューアルに向けた計画づくりが進められています。これまでの17年間の積み重ねと未来可能性を混ぜ合わせてパワーアップしていくことを目指すリニューアル。そのためには何が大事で何が必要なのかを議論し検討しています。実はその中でご指摘いただくのが「良いことをやっているかもしれないけど伝わってない」ということ。暗黙知のままではいけない。言語化していかないと伝わらない。17年間走り続けてきたなかでワンダーミュージアムが大事にしてきたこと、これからも大事にしていきたいことなどを連載でお伝えしています。



10話:わじゃぶくろとSDGs

ワンダーミュージアムには廃材を再利用して工作を楽しむ「わじゃぶくろ」があります。「わじゃぶくろ」の“わじゃ”は“技”を意味する沖縄の方言。“ぶくろ”には、ぶくぶくと技やアイデアが生まれてくるように、という思いが込められています。地域などから集めた廃材がまるで駄菓子屋さんのような空間の中に陳列され、商品名や値段が付けられ、工作の材料として新たな価値が与えられています。リユースの体験値を高めその精神をこどもたちに根付かせること。さらに廃材であり材料である「もの」の可能性を見出す力を養い、活かすアイデアと技を高め、創造する楽しさにつなげることを目指しています。


今や物が豊富でなんでも簡単に手に入る時代となりました。しかしながら沖縄は島嶼地域。陸路でつながる本州に比べると流通コストがかかる上に流通が滞ると生活に支障が出るというリスクを抱えています。そして最も重要なことは、資源は有限であること。移り変わる時代の中で持続可能な未来社会につなげていくには、限られた資源の活用や循環、つくる責任つかう責任を意識することがますます重要になります。プログラムで使用する廃材はスーパーのレシートや大型ロール紙などの芯棒、卵や果物の保護材、各種梱包材、靴、お菓子、お米などの箱類、布切れ、壁紙やシール紙の端材など、その時その時で商品の品ぞろえが変わります。これらは近隣のスーパーや商店、内装屋さんや布屋さん、時には廃業するお店から頂くこともあります。廃材はすぐに捨ててしまった方が保管場所も取らず管理する負担もない、という考えを持つ方々がいる一方で、プログラムの趣旨に賛同し協力してくれる組織や人とのつながりがこのプログラムにつながっています。


「わじゃぶくろ」がはじまったのは2006年。すでに15年続くロングランなプログラムです。そして今2030年に向けてSDGs(持続可能な開発目標)が掲げられています。大切なのはできることからひとりひとりが始めていくということ。未来を生きる、未来をつくるこどもたちに、使い捨ての文化でなく、再利用の文化を残したい。持続可能な環境や社会を考えていく上でも、こどもたちが自由な発想でモノづくりを楽しんでもらうという上でも「わじゃぶくろ」はリニューアル後も残していきたいプログラムのひとつです。当り前に存在しているものなんてひとつもない。だからこそ残すためには残す意思が大事だということをSDGsのことも含めていま改めて感じています。


[追記]わじゃぶくろは2008年キッズデザイン賞受賞プログラムです。
http://www.kidsdesignaward.jp/search/detail_081002

過去のコラムは以下でご覧いただけます。
https://www.okzm.jp/diary/wonder/