こどもの国日誌

2021/3/26
ワンダーミュージアム

第3話:ワンダーミュージアムは誰のためにあるのか?[ワンダーミュージアムをつたえるコラム]

こんにちは。沖縄こどもの国でワンダーミュージアムを担当している鈴木です。現在ワンダーミュージアムではリニューアルに向けた計画づくりが進められています。これまでの16年間の積み重ねと未来可能性を混ぜ合わせてパワーアップしていくことを目指すリニューアル。そのためには何が大切で何が必要なのかを議論し検討しています。実はその中でご指摘いただくのが「良いことをやっているかもしれないけど伝わってない」ということ。暗黙知のままではいけない。言語化していかないと伝わらない。16年間走り続けてきたなかでワンダーミュージアムが大切にしてきたこと、これからも大切にしていきたいことなどを連載でお伝えしてきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。



3話.ワンダーミュージアムは誰のためにあるのか?

ワンダーミュージアムがチルドレンズ・ミュージアムでよかった、と思えることのひとつに、意外かもしれませんがチルドレンズ・ミュージアムというものが一般的によくわからないものだったということがいえます。よくわからないから固定概念のなかに収まる必要がない。改めて振り返ってみても実はこれが非常に大事なことだったように思います。ワンダーミュージアムは沖縄にありますから、沖縄のこどもたちにどのような体験を提供するべきなのかを考え、こどもたちのためにどうあるべきかという視点で展示とプログラムを選び届けてきました。テーマは科学、芸術、哲学。コンセプトは「理解と創造は驚きに始まる」。基本的にはそれだけ。あとは目の前の子どもたちと関わりながら、さまざまな手法を取り入れてプログラムをつくっていく。そしてやってみて、こどもたちの実際の反応を見ながら改善していく。そうやって来てくれるこどもたちとコミュニケーションしながらワンダーミュージアムは沖縄のチルドレンズ・ミュージアムとして成長をしてきました。

時代は移り変わり、今ワンダーミュージアムには観光施設としての期待が寄せられています。このことで対象が沖縄のこどもたちから観光のために来沖するこどもたちにも広がってきました。ワンダーミュージアムは観光で来沖する日本本土や海外から来る方々のために何ができるのだろう。ここ数年そんなことをスタッフそれぞれが考えてきました。そしてたどりついたのは観光客向けのワークショップやお土産ということではもちろんなく、さらには多言語のパンフレットやサインを用意するということだけでもない。誰でもウエルカム、安心して楽しんでくださいというマインドを持ちそれをいかに感じてもらい楽しんでもらうかだということにたどり着きました。今回のリニューアルではこどもたちだけでなく大人も含めたすべての人のためのミュージアムという期待も加わります。すべての人たちのためにあるワンダーミュージアムはどうあるべきなのか。「人をつくり・環境をつくり・沖縄をつくる」沖縄こどもの国の使命であり、ワンダーミュージアムはその使命を果たす一つの施設。もちろん沖縄のこどもたちのためにという軸足がぶれることはありませんが、その軸を大切にしながらすべての人に開かれた場所として、ゆるやかでしなやかでまっすぐであたたかいコミュニティで共有され、深まり広がっていく、そんな場所でありたいと思っています。

ワンダーミュージアムは誰のためにあるのか?遊びに来てくれたこどもたちや大人たちのためであることはもちろんですが、さらに言うと例えば慰霊の日の企画を通して戦争で傷ついた人たちのことを伝えることがでたのならその人たちのためでもあり、クリスマスのイベントで世界中の子どもたちの幸せを願うメッセージを届けることができたら、世界中のこどもたちのためでもあるかもしれません。動物に関わるさまざまなワークショップで動物への関心を広げることができたらそれはきっと動物たちのためでもあります。ちょっと飛躍をしすぎるかもしれませんが、廃材工作のコーナー(わじゃぶくろ)での体験をきっかけに資源のことや地球のことに関心を寄せてもらえたら地球のためでもあるのかもしれません。すべての人のためのワンダーミュージアムが未来のためのミュージアムになりますように。"理解と創造は驚きには始まる“というワンダーミュージアムのコンセプトをリニューアル計画でも大切にしていきたいと思います。


過去のコラムは以下でご覧いただけます。
https://www.okzm.jp/diary/wonder/