こどもの国日誌

2021/3/22
ワンダーミュージアム

ワンダースタッフの飼育業務日誌

実はのんびりでマイペースなスグル・ギンのオスたち。それに比べて子育て中ということもあり気難しいココ・モコのメスたち。その中でも特にココは賢くて気まぐれ。そんな個性あふれる彼ら(チンパンジー)の個性を見極めながら飼育しコミュニケーションを図っているのは担当飼育員の島袋さん。島袋さんの飼育員キャリアはすでに30年以上。主に猛獣担当、ですがご本人はとても優しくて謙虚な方です。



こんにちは。ワンダーミュージアム担当の鈴木です。実は今年度、沖縄こどもの国ではコロナ渦の経営難を乗り越えるため担当職務を超えた応援態勢で運営しています。そしてその一環でわたしたちも動物園業務のサポートに入ることがあります。動物園には何度も足を運んでいるはずなのに立場が変わると新たな発見がたくさん。そんな動物園の日常にあるあたりまえすぎて話題にもならないようなこと、だけどキュンとなる魅力的な出来事。そんな秘めたる魅力をお伝えすることで、沖縄こどもの国のこと、動物たちのこと、そして裏方の飼育員のことを知って頂けるといいなと思っています。

さて、今回はそんな島袋さんと一緒に飼育業務をしたときの様子をご紹介したいと思います。島袋さんが主に担当するのはライオン、チンパンジー、カバ、そしてペリカンなど池の鳥たち。始業は9時。朝一番の動物たちの健康確認からはじまり、動物たちを寝小屋から展示場に移動させた後に寝小屋の掃除を行っていきます。

まずはライオン舎。動物たちに声をかけながらバックヤードに入ります。リズム、セラム、カノ、アルーシャ。特にリズムは島袋さんに構ってほしい様子で近づいてきます。思い返すとリズムやセラムが沖縄こどもの国に来た時はまだ中型犬ぐらいのサイズでした。しばらくの間は開園前に島袋さんがまるで犬を散歩でもさせるかのようにリズムやセラムをリードにつなぎ園内を散歩していたことを思い出します。もちろん今となってはそんなことはできませんが、その時に築いた関係が今も続いているのだと感じました。沖縄こどもの国で飼育しているライオンは4頭、展示場は2か所なので今のところは2頭が展示場に出ていわゆるお仕事をして、残る2頭は寝小屋でお留守番をしています。寝小屋といっても別室があるのでそこに移動してのんびり休日といった感じでしょうか。


その後チンパンジー舎、カバ舎と続いていきます。そしてその合間の時間に動物たちのご飯の準備。動物園には動物たちのご飯の用意をする調理場があって、そこで飼育員の皆さんがそれぞれの動物たち、そして体調に合わせてご飯を用意します。ちなみにライオンには馬肉。チンパンジーにはイモ、ニンジン、葉物などの野菜類、バナナ、リンゴ、オレンジなどの果物類、そしてゆで卵。カバには牧草やヘイキューブといわれる乾燥飼料。準備したご飯は主にもぐもぐウォッチングのタイミングや夕方寝小屋へ誘導するタイミングに使います。スグルはゆで卵がきらい。ギンはレタスがきらい。モコはキャベツがきらい。ココは気分屋だから何がきらいなのかわからない。まるで自分のこどもの話をするように愛情たっぷりに話しだす島袋さん。とはいえ、そんな時間もつかの間。いくつもの動物たちを掛けもつ島袋さんは常に動きまわっています。閉園間近になると動物たちを寝小屋へ移動。寝小屋に入ると動物たちはご飯の時間。その間に展示場の掃除や飼育日誌への記録などしてその日の業務が終わっていきます。


もちろん私が見たり体験したりしたのは飼育員業務のほんの一部。その都度の安全管理や施錠の確認なども厳重で本当に大変な業務。でもね、動物たちはそんな飼育員の姿をちゃんと見ていてそして信頼している。動物たちの表情や様子からそれが伝わりました。そして戸締りをする時に最後に動物たちに声をかける島袋さんの言葉がすごく優しい。きっと動物たちはその優しい声に安心して一日を終え眠りに就くのだろうな。最後にほんわかあたたかな気持ちになりました。島袋さんの背中を追いかけたあっという間の一日、学び多い一日でした。子をもつ親として、そしてチームで仕事するひとりとして、信頼関係がいかに大事なのか、そのためにどういう態度を示すべきなのか。動物たちと飼育員との関わりの中で学ぶこと感じることがすごくたくさんありました。

コロナ渦の経営難を乗り越えるための応援業務の一環でしたが、この体験はある意味コロナのおかげで出来たこと。まだまだコロナと共にある日常は続きますがこれらすべての経験を糧にそしてたくさんの応援を励みにみんなで力を合わせて乗り超えていきたいと思います。ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。