こどもの国日誌

2018/9/12
哺乳類

カンガルーの人工保育

カンガルーの人工保育

2018年6月18日 人工保育開始・・
カンガルーの「あやや」が育児嚢でこどもを哺育中に肺膿瘍で死亡してしまいました。
育児嚢内のこども(嚢児(のうじ)といいます)は体重がわずか50gていどで
頭胴長(鼻先からお尻まで)が11㎝の未熟なこどもでした。
他の子育て中のお母さんの袋にいれて育てさせることも検討しましたが、
あまりにも大きさが違うため、人工保育で育てることにしました。


6月25日(人工保育8日目) 生後約63日目
身体測定から生後およそ63日目と推定されました。
名前はお母さんの「あやや」にちなんで「あやりん」としました。
最初50gあった体重が43gまで減ってしまいましたが、元気はあるので一安心。
人工保育は最初の1週間以内での死亡率が高いといわれているので最初の関門はクリア。
写真のように宇宙人のような感じで、無毛で目も空いていません。



7月1日(人工保育14日目) 生後約69日目。
なんとか、2週間が経過しました。
体重がやっと人工保育を始めたころの50gまで回復!
カンガルーは約300日お母さんの袋の中で成長するといわれています。
生まれた時は約2センチで体重は1gもない程度です。超未熟児で生まれてきます。
写真のようにまだお母さんの子宮の中にいてもいいような外見ですが、ちゃんとお腹の袋が形作られています(赤矢印の部分)。
体に光沢があるのは、皮膚が乾燥しないようにワセリンを塗っているためです。



どうやって育てているのか?
今日はカンガルーの人工保育に使っている道具などを紹介します。
まずは、保育器。温度を36℃で湿度60%程度に保ちます。
それから、カンガルーを入れる袋。お母さんの袋にいるのを再現するために、通気性の良い袋に入れて、ぶら下げます。
ミルクは犬用のミルクを使用することにしました。



ミルクは夜も与えないといけません。とはいえ、夜中まで起きて与えていると、
飼育係りの方が睡眠不足になるので、夜は遅くても11時までにして、朝6~7時の間までは授乳をしないことにしました。
また、人工保育は「あやりん」の場合、およそ半年は必要と考えられたので、カンガルーの担当者の負担を考え複数の飼育係りが持ち回りで家に持ち帰ることにしました。
獣医や動物看護士もメンバーとして加わり、総勢8名のチームで哺育にあたっています。
写真は持ち帰り用の保温器ですが、これは鳥の卵を孵化させる孵卵器を利用しています。
結構大きいですが、カンガルーが入るサイズで夜間安全に過ごしてもらうために、約4Kgのものを持ち帰っています。
裸の状態なので、保温や保湿はしっかりしないと死んでしまうのです。お母さんの袋(育児嚢いくじのう)は偉大です。



この後はできるだけ成長の様子をお知らせしていきたいと思いますので、
よろしくお願いします。 
  
沖縄こどもの国あやりん哺育チームより